交通事故で顔に傷が…! 慰謝料の相場は? 請求の流れと増額方法

2025年08月20日
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交通事故で顔に傷が…! 慰謝料の相場は? 請求の流れと増額方法

令和5年に和歌山県内で発生した交通事故は1355件で、死者が31人、負傷者が1588人でした。

交通事故で顔に傷を負ってしまい、そのまま完治せずに残ってしまった場合には、加害者側に対して後遺障害慰謝料を請求できる可能性があります。適正額の後遺障害慰謝料の支払いを受けるためには、弁護士のサポートを受けましょう。

本記事では、交通事故で顔に傷が残った場合の慰謝料相場などについて、ベリーベスト法律事務所 和歌山オフィスの弁護士が解説します。

出典:「交通年鑑 令和5年版」(和歌山県警察)


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1、交通事故で顔に傷……泣き寝入りしないための基礎知識

交通事故の被害に遭い、顔に傷が残ったら、加害者側に対して慰謝料などの損害賠償の請求を検討しましょう

顔の傷について、加害者側に請求できる主な損害賠償の項目は以下のとおりです。

① 治療費
顔の傷を治療するため、医療機関に支払った医療費や、薬局に支払った薬剤費などの損害賠償を請求できます。

② 通院交通費
顔の傷を治療するために通院した際、かかった交通費の損害賠償を請求できます。

③ 入院雑費
顔の傷を治療するために入院した場合は、日用品などの購入費として、入院1日あたり1500円程度の損害賠償を請求できます。

④ 休業損害
治療のために仕事を休んだ場合は、それに伴って減少した収入の損害賠償を請求できます。治療のために有給休暇を取得した場合は、収入が減少していなくても、取得日数分の休業損害の賠償を請求可能です。

⑤ 入通院慰謝料(傷害慰謝料)
顔に傷を負ったことにより受けた精神的損害はもとより、顔の傷を負って入院や通院を強いられたことにより受けた精神的損害の賠償を請求できます。

⑥ 後遺障害慰謝料
顔の傷が完治せず、後遺障害が残ったことにより受けた精神的損害の賠償を請求できます。

⑦ 逸失利益
顔の傷が完治せず後遺障害が残った場合に、それに伴って失われた労働能力の割合に応じて、将来得られなくなった収入の損害賠償を請求できます。


上記の損害賠償項目のうち、特に高額となるケースが多いのが、⑥の後遺障害慰謝料です。

後遺障害慰謝料の金額は、認定される後遺障害等級によって変わります。
適正額の後遺障害慰謝料を受け取るためには、顔の傷の状態に応じた適切な後遺障害等級の認定を受けることが大切です。後遺障害等級については、3章にて詳しく解説します。

2、慰謝料が少なすぎると感じたら、弁護士に依頼すべき理由

交通事故の示談交渉をする際は、加害者側の保険会社から後遺障害慰謝料が提示されます。しかし、その提示額は、納得いく金額を大幅に下回っているケースがあります。

納得いく金額の後遺障害慰謝料を受けたい場合や、保険会社の提示額が少なすぎると感じた場合には、弁護士に相談しましょう

後遺障害慰謝料などの損害賠償請求について、弁護士に対応を依頼すると、主に以下のようなメリットがあります。

  1. (1)後遺障害等級認定のサポートを受けられる

    後遺障害等級認定の申請方法には、相手方の保険会社に申請手続きを任せる方法(「事前認定」と呼ばれる手続きです)と、被害者自身で申請手続きを行う方法(「被害者請求」と呼ばれる手続きです)の2つがあります。

    事前認定の場合、申請手続きに必要な資料の選定が保険会社任せになるため、被害者にとって不利な状況が生まれやすく、適正な等級認定の可能性が下がります。そのため、被害者請求による申請をおすすめします

    ただし、被害者請求の場合、申請書類の準備などには手間がかかります。もっとも、弁護士に依頼すれば、書類の対応を任せられるため、手間を省くことが可能です。

    また、納得いく金額の後遺障害慰謝料を受けるためには、顔の傷の状態に応じた適切な後遺障害等級の認定を受けることが重要です。どの等級で認定されるかどうかは、主に医師の診断書から判断されます

    弁護士であれば、後遺障害等級認定のサポートの一環として、医師と連携することが可能です。医師が診断書を作成する際に弁護士が交渉を行うことで、適切な後遺障害等級の認定を受けられる可能性が高まります。

    医師の診断書の結果そのものが変わることはありませんが、弁護士により等級認定に適した補足の提案などを行うことが可能です。

  2. (2)適正な過失割合を主張できる

    交通事故の過失割合は、後遺障害慰謝料を含む損害賠償の金額に大きく影響します。
    たとえば、被害者側に2割の過失が認められたとすると、加害者側に対して請求できる損害賠償の額は、過失が0だった場合の8割に減ってしまいます。

    加害者側の保険会社は、被害者側にも過失があったことを主張し、損害賠償の額を少なく提示する可能性があります。
    弁護士に依頼すれば、保険会社が主張する過失割合に対して、客観的事実や法律・裁判例などの観点から反論し、適正な過失割合への修正を求めることができます

  3. (3)裁判所基準(弁護士基準)で慰謝料を請求できる

    交通事故の損害賠償額は、次の3種類の算定基準のうちいずれかに基づいて決まります。

    ① 自賠責保険基準
    自賠責保険の保険金額を算定する基準です。3つの基準の中でもっとも低額となります。

    ② 任意保険基準
    加害者側の保険会社が独自に定めている基準です。自賠責保険基準よりもやや高額となりますが、裁判所基準には遠く及びません。

    ③ 裁判所基準(弁護士基準)
    過去の裁判例を参考に、被害者が受けた客観的な損害の額を算定する基準です。3つの基準の中でもっとも高額となり、かつ公正な基準と言えます。


    被害者は、裁判所基準による後遺障害慰謝料や、そのほかの損害賠償の支払いを受ける権利があります。しかし、加害者側の保険会社は、任意保険基準によって算定した低い金額の示談金を提示してくるケースが少なくありません。

    裁判所基準による後遺障害慰謝料を請求するには、弁護士のサポートを受けることが重要です。弁護士は、裁判所基準に基づいて算定した高い金額の損害賠償を請求するため、保険会社の提示額よりも増額された損害賠償を受け取れる可能性が高まります。

  4. (4)示談交渉・ADR・訴訟などの対応を任せられる

    弁護士には、交通事故の損害賠償請求に関する示談交渉・ADR(裁判以外の方法で争いを解決する手続き)・訴訟などの対応を一任できます。

    示談交渉を自分ひとりで行うと、加害者側の保険会社の言い分に惑わされてしまうこともあるでしょう。しかし、弁護士であれば、適正額の損害賠償の支払いを求めて毅然(きぜん)と対応が可能です。

    ADRや訴訟では、交通事故の状況や被害者の損害などについて、弁護士が客観的な資料に基づいて説得力のある主張を行います。その結果、被害者にとって有利な解決を得られる可能性が高まります。

    示談交渉・ADR・訴訟などの対応を、被害者が自力で行うのは非常に大変でしょう。弁護士に対応を依頼すれば、手間が大幅に省けて精神的なストレスからも解放されます。

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3、外貌醜状(顔の傷)の後遺障害等級と、後遺障害慰謝料の相場

交通事故によって顔の傷が残った場合は、外貌醜状(醜状障害)として後遺障害等級の認定を受けることができる可能性があります。後遺障害等級は1から14級に分類されていて、数字が小さいほどより重い障害を負ったことになります

以下では、外貌醜状について認定される可能性がある後遺障害等級や、各等級における後遺障害慰謝料の金額相場、ベリーベスト法律事務所 和歌山オフィスにおける解決事例を紹介します。

  1. (1)顔の傷について認定され得る後遺障害等級

    顔の傷については、後遺障害7級・9級・12級が認定される可能性があります。それぞれ、どのような状態が基準となるか表にまとめました。

    後遺障害等級 外貌醜状(顔の傷)の内容
    7級 外貌に著しい醜状を残すもの

    ※顔に鶏卵大面以上の瘢痕、または10円銅貨大以上の組織陥没で、人目につく程度以上のものが残った場合
    9級 外貌に相当程度の醜状を残すもの

    ※顔に長さ5センチメートル以上の線状痕で、人目につく程度以上のものが残った場合
    12級 外貌に醜状を残すもの

    ※顔に10円銅貨大以上の瘢痕、または長さ3センチメートル以上の線状痕で、人目につく程度以上のものが残った場合
  2. (2)等級別|後遺障害慰謝料の金額相場

    裁判所基準による後遺障害慰謝料の金額は、認定される後遺障害等級に応じて以下のとおりです。

    1級(要介護を含む) 2800万円
    2級(要介護を含む) 2370万円
    3級 1990万円
    4級 1670万円
    5級 1400万円
    6級 1180万円
    7級 1000万円
    8級 830万円
    9級 690万円
    10級 550万円
    11級 420万円
    12級 290万円
    13級 180万円
    14級 110万円


    顔の傷による外貌醜状については、先述のとおり7級、9級、12級の認定を受ける可能性があります。上の表のとおり、裁判所基準であれば、7級なら1000万円、9級なら690万円、12級なら290万円の後遺障害慰謝料を請求可能です。

  3. (3)ベリーベスト法律事務所 和歌山オフィスの解決事例

    ベリーベスト法律事務所 和歌山オフィスでは、交通事故による顔の傷について高額の示談金を獲得できた解決事例があります。その一部を簡単に紹介します。

    このように、事故によるケガに対して、納得いく示談金額で解決するためには、弁護士のサポートが欠かせません。交通事故に巻き込まれてケガを負ってしまった際は、ベリーベスト法律事務所 和歌山オフィスまでご相談ください。

4、交通事故の損害賠償額を左右する主な要因

交通事故の損害賠償額は、以下のような要因によって左右されます。

  • 被害者が実際に支出した費用
  • ケガや後遺障害の内容、状態(後遺障害については、認定される後遺障害等級)
  • 被害者と加害者の過失割合(特に交通事故の客観的な状況)
など

適正額の損害賠償を受けるためには、これらの事情を客観的な証拠に基づいて主張することが大切です。弁護士のサポートを受けながら、十分な準備を整えたうえで損害賠償請求を行いましょう。

5、まとめ

交通事故によって顔に傷が残った場合は、その状態に応じて後遺障害慰謝料を請求できます。そのほかにも治療費・休業損害・逸失利益など、さまざまな項目の損害賠償を請求可能です。示談交渉では、保険会社から任意保険基準の示談金を提示される場合が多いですが、弁護士に依頼することで、裁判所基準に基づくより高額な金額で交渉ができるようになります。

ベリーベスト法律事務所は、交通事故の損害賠償請求に関するご相談を随時受け付けております。顔の傷について適正額の損害賠償を受けたい方は、ベリーベスト法律事務所 和歌山オフィスへご相談ください。

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